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柚木の連絡を受けて駆け付けた山瀬は、麗の診察を始める。
一通り診察を終えると山瀬は麗の前にしゃがみ、視線を合わせた。
「麗くん、どこも悪くないみたいだけどどうしたの?何か困ったことでもあったかな~?」
困ったこと...?話してもいいのかなぁ...
「う...えっと...ん...」
「どうしたの?言いにくいことかな?」
「...ぅ...」
麗がなかなか言えずにいると山瀬は少し遠くから心配そうに見守っていた柚木に「ちょっと出てってくれるかな?麗くんと話があるから~。あ、獅琉が来ても中に入れないでね~」と言って柚木を追い出し、麗を振り返る。
「麗くん、僕と二人だったら話せるかな?あ、今日は注射しないよ~」
山瀬さん...注射するけど...ほんとは優しいの知ってる...
「ぼく、山瀬さんとお話...する...」
「うんうん。じゃあ聞かせてくれるかな?胸が苦しくなるくらい、何に悩んでるのかな~?」
麗は胸の前で手をぎゅっと握ってゆっくり話し始めた。
「ぼくね...しーといると苦しいの...」
「獅琉?何か嫌なことされたの?」
「う、ううん!しーは、ぼくの嫌なことしない...」
「だよねぇ~」
「ん...でも僕、最近困る...」
「どうして~?」
「あのね...んと...しーには、ないしょだよ?」
「ん~わかった~。獅琉には内緒ね?」
「しーがね...最近ね...」
「うんうん?」
「き、きす...するの...っ」
「うんう...え?」
「それで...ぼく...胸がどきどき...顔もあついの..」
「ちょ、ちょっと待って...!キス?キスってあのキス?」
「う...?キス...ちゅー?」
「あ...はは...そうなんだ...獅琉、そんなことしてたんだ~...あの馬鹿...」
「...?なぁに?」
「んーん!なんでもないよ~こっちの話~。それで、麗くんは獅琉にキスされるとドキドキして苦しいの?」
「...ん」
小さく頷いた麗に聞こえないように山瀬は呟く。
「ようやくあいつが報われる日がきたってことかな...」
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