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閑話1side柚木
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獅琉がいなくなった廊下で静かに息を吐き出す。
殺されるかと思った...あんなに怒ってる若久しぶりに見たな...
「ゆーずくん?」
ふいに上から降ってきた声にびくりと肩を震わせる。
「あれ、びっくりさせちゃった?ごめんね~」
声の正体は東雲組の専属医師である山瀬紘だった。
「山瀬さんか...」
「大丈夫?震えてるよ?」
そう言われて初めて自分の手が震えているのに気付いた柚木。
「ほんとだ...」
「気付いてなかったの?そんなに震える程怖かったのによく獅琉を部屋に入れなかったね~」
「そりゃ...俺にとっちゃ麗さんも大事ですから。麗さん悩んでるみたいだったし...俺だって麗さんを拾った時から麗さんを見守ってきたんです。それなりに麗さんに懐かれてる自信もあるし...麗さんかわいいし...」
俯きがちにそう言った柚木に山瀬はくすりと笑って柚木の明るい茶色に染められた髪を撫でた。
「僕にとってはゆずくんもかわいいけどね~?早く獅琉の部下なんてやめて僕のお嫁さんにおいでよ」
軽い口調でとんでもないことを言い放つ山瀬に柚木は内心ため息をつく。
「またそんな冗談ばっかり言って...大体俺は男だしそろそろ32ですよ?からかうならもっとマシなからかいかたして下さい」
「ひどいな~僕は本気だよ?それに歳の話なら僕はそろそろ36だし何も問題ないよね?」
「本気って...そっちの方が困るんですけど...」
「うん、もっと困って?」
だめだこの人話にならない...
「はいはい、じゃ俺はこれで失礼しす。お気をつけて帰ってくださいね」
山瀬に軽く頭を下げて柚木は自室に向かう。
若今日はもう仕事しないだろうから書類だけでも片付けておこうかな。
────「あー...かわいい...早く俺のもんにならねーかなー」
山瀬の本音を知っている者は誰もいない。
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