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麗の記憶に残っている限りで外に出たことは数回しかないが、どれもいい思い出があるわけではなかった。
麗はアルビノの中でも眼皮膚白皮症Ⅰ型OCA1Aであり、メラニンを全く生成することができず、毛髪は白金、虹彩にも色素がない赤色。
そのため、紫外線には極端に弱い。
日光による紫外線によって皮膚が損傷又は皮膚がんになるリスクが非常に高くなる。
麗が外に出るときは季節に関係なく日焼け止めを塗り、肌の露出を避けるため長袖のパーカーを羽織り、目元まで隠れるフードを被らなければならない。
また、麗の瞳は軽い弱視で光に弱く明るい場所に出るのを嫌がった。
しかしそれよりも麗が嫌がることがあった。
それは人の視線だ。
以前獅琉に人の多い場所に連れ出されたとき、真っ白で人並み外れた美しさを持つ麗は人目を集めた。
普段から獅琉や柚木に甘やかされて育った麗にとって、知らない人々からの不躾な視線は、恐怖であったのと同時に、自分は人とは違うのだという劣等感を植え付けられた。
人とは違う、と泣き出してしまった麗を獅琉は「違っていてもお前はお前だ。綺麗だよ」と慰めたが麗にとってその記憶は今もトラウマとなって残っている。
このような理由から麗は部屋の外に出ることが好きではなかった。
ぼく、白くて...変だから...
自分の体を見下ろしていると、着替え終えて麗の服を持ってきた獅琉が目の前に立っていた。
「どうした?ぼーっとして、まだ寝惚けてんのか?」
悪戯っぽく笑う獅琉に笑い返そうとするが頬が強ばって上手く笑うことができない。
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