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16-1side獅琉
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静かに発進した車内でフードを脱いでこちらを見上げてきた麗の瞳は不安そうに揺れていて、それを落ち着かせるために親指で麗の頬を擽る。
「んな顔すんな。俺がいるから大丈夫だって」
「ん...しー、今日どこいくの...?」
獅琉の手に頬を摺り寄せてくる麗にムラっとくるが、なんでもない風を装って答える。
「言ってなかったか?本家だよ。親父が麗に会わせろって執拗いからな」
「ほんけ...ろう?」
こてんと首を傾げて獅琉の父親の名前を呟く麗に「そうだ」と肯定して再び頬を撫でる。
「ふふ...っ...くすぐったいよぉ...」
緊張が解けたようでにこにこと笑っている麗にほっとする。
泣いてる顔も可愛いけど、やっぱり笑ってる顔が一番だな...
「麗」
名前を呼ぶと嬉しそうに獅琉を見つめる麗。
「なぁに?」
麗の頬に手を添えたまま、薄紅色の唇に軽いキスを落とす。
あ、赤くなった。
「ぅう...っ」
俯いて項まで真っ赤に染まった麗を見つめていると、しばらくして顔を上げた麗の綺麗な顔がゆっくりと近づいてきて、頬からちゅっと可愛らしい音が聞こえてきた。
え...なん...は?
何が起こったか分からず固まっている獅琉の耳元で小さく麗が言った。
「いつも、ぼくばっかりドキドキ...ずるい...おかえし...っ」
あーもう...っ...何この可愛い生き物...今すぐ食べたい...
麗を覆い隠すように強く抱きしめる。
ほんとに、絶対離してやんねーからな...
獅琉が悶々としているのを知る由もない麗は更に爆弾を落とす。
「しーも、ぼくに...ドキドキして?」
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