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17-1side獅琉
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麗と散々いちゃつきながら本家まで来た獅琉は、麗を抱いて屋敷の一番奥の狼の部屋へ向かっていた。
ここでも麗は廊下ですれ違う人の視線を嫌がり、胸に顔を埋めていた。
実際、組の中では恐れられている獅琉が子供を抱いて歩いている、となれば注目を集めるのも仕方が無い。
ま、麗の顔を見せなくていいのは有り難いけどな。
狼の部屋の前まで来て中にいる狼に声をかける。
「親父、俺だ」
「入れ」
中から狼の声が聞こえて腕の中でもぞもぞし始めた麗を下ろしてやり、麗に戸を開けさせる。
ゆっくりと麗が戸を開けて部屋の中を覗き込んでいる様子を後ろから眺める。
「...ろー?」
恐る恐るといった感じで狼の名前を呼ぶ麗の背中を軽く押して部屋に入れ、獅琉も部屋に入ると狼がこちらを見て固まっていた。
「ろう...?ぼく...あ、こんにちは...」
お行儀よく麗が挨拶をしているのに返事をしない狼にイライラしてきた獅琉。
「おい、あんたが麗連れてこいつったんだろ。」
獅琉の言葉に狼は目を見開いたまま麗に声をかける。
「麗か...?」
「ん...っ...ぼく、れい...だよ?」
こくりと頷いた麗に狼が手を伸ばす。
「お前...大きくなったな...何年ぶりだ?いくつになったんだ?」
狼に近付いてすっぽりと抱き締められた麗が小さな声で答えた。
「ぼく14、さい...」
「そうか...」
一旦麗を離して、息子の獅琉でさえ今までに見たこともないような優しい眼差しで麗を見つめる狼。
「また綺麗になったな、麗。元気にしてたか?」
厳つい顔したオッサンがでれでれしやがって...んな優しい喋り方他でしてんの見たことねーぞ。
「うんっ。しーがいるからぼくげんき...」
「相変わらず、獅琉が大好きなんだな」
「ん...ぼく、しーすき...っ」
「そうか?なにか不便なことはないか?」
「う...?...ううん、ぼく、しーといるから...しあわせ...」
狼の質問にゆっくり、でもしっかりと答える麗。
ここが家がだったら確実に抱きしめてたな...
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