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閑話2-1side柚木
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麗と獅琉の散歩が終わったあと屋敷まで二人を送り、自分の車で自宅に帰るため駐車場を歩いていた柚木。
もう辺りはすっかり暗くなっていた。
今日の若と麗さん、きっと何かあったんだろうな...
あの2人、お互い依存し合ってるのに気付いてんのかな。若がいないと生きていけない麗さんと、麗さんの幸せのためなら手段を選ばない若。
麗さんは知らないだろうけど、麗さんの為に犠牲になったモノも、ヒトも色々いるからなぁ...
「ま、お似合いっちゃお似合いか...」
自分が仕えている、ともいえる2人を思い出していると横からのんびりとした声が聞こえてきた。
「お似合いって?僕とゆずくんのこと〜?」
「......」
出たよ...苦手なんだよな、この人...
柚木が無視してそのまま歩き続けようとすると前に長身の影が立ち塞がった。
「あー!無視しないでよ〜悲しいよ〜?」
目の前には全く悲しそうには見えない笑顔を浮かべる男。
「...はぁ、山瀬さんこんばんは...」
「こんばんはー。今から帰るの?」
「はい、そうですけど」
「僕も今日はもうお仕事ないんだ〜」
「...そうですか」
ニコニコと笑っている掴めない男はいつも纏っている白衣がないからか、普段と違って見える。
「うん。だから〜ドライブ行かない?」
「......は?」
「行こうよ〜!どうせ暇でしょう?」
「どうせ...って...」
失礼だろ...!暇だけど!
暇だけど...
この人と2人は、少し...嫌だな...
「...遠慮しておきます」
「え!?なんでー!!!」
「明日の朝も早いですし...」
「そっかぁ...残念」
あれ、意外とあっさり諦めたな...
「は、い...じゃぁ、俺はこれで失礼します」
少し拍子抜けした柚木が山瀬の横を通り過ぎると後ろから再び声が聞こえた。
「ゆずくんさぁ...僕のこと、嫌いでしょ?」
しかしその声からは、さっきまでのような暢気さは感じられなかった。
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