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22-4side山瀬
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細くて白い体を改めて診察していく長身に眼鏡をかけている男は、東雲組の専属医である山瀬紘。
...これはまた、随分ご執心だな。
獅琉がつけたであろう鬱血痕は山瀬の予想通り全身に広がっていた。
首筋や胸元、腹部は勿論のこと、肩や腕、脚、果ては背中にまで点々とつけられた鬱血痕は最早痛々しいレベルだ。
麗くんが疲れている様子なのも頷けるなぁ...ただでさえ体力ない子なのに。
あの絶倫馬鹿のことだから毎晩抱いてるんだろうな...
「ありがとう、麗くん。もういいよ」
一通り状態を把握して麗の服を戻し、顔色が悪くないことももう一度確認してからベッドの横にしゃがむ。
「麗くん、お尻は痛くないかな?」
「...おし、り?」
「そう。獅琉に乱暴されて怪我してない?」
流石にそこは見て確かめるわけにはいかないしなぁ...
山瀬の質問に麗の顔が赤く染まる。
「...んん、ぅ...」
やっぱり答えにくいか...獅琉のことだから麗くんを傷付けたりはしてないと思うけど。
「しー...ぼくにいたいこと、しない...」
小さくそう答えた麗に少し安心する。
「そっか、よかった。麗くん、少し疲れてるよね?眠る?」
「や...しーがくるの、まってる」
そうだった、この子は獅琉がいないと眠れないんだった。
後で今日はゆっくりさせてやれって言わないとな...
「やませさん...」
どんな嫌味を獅琉に言ってやろうかと思考を巡らせていると、麗が山瀬を呼んだ。
「ん~?なぁに?」
首を傾げて麗を見ると麗は少し申し訳なさそうに言った。
「今日...おむかえ、できなくて...ごめんなさい...」
「...おむかえ?」
「ん...やませさん、いつもぼくの...びょうきなお、してくれる...だから、ぼく...ね、あの...おむかえ...したかったの...」
未だに少し言語が不自由な麗が何を言いたいのか、山瀬はゆっくり考える。
迎え...?麗くんにお迎えしてもらったことって...
あ。
「もしかして、毎回ドアのところまで来てくれること?」
「うん...」
「そんなこと...」
そんなこと、気にしてたなんて...
「いいんだよ、僕は麗くんが元気でいてくれるだけで嬉しいんだから」
あの獅琉が育ててどうしてこんなにいい子が育つんだろう。
麗のいじらしさに思わずすべすべの頬を撫でる山瀬。
「診察は終わったけど、もう少し麗くんといてもいいかな?」
そう聞くと麗は綺麗に笑って頷いた。
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