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23-2
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家に帰ると玄関の前に柚木が立っていた。
「若っ!」
車から降りると駆け寄ってきた彼に状況を訊ねる。
「麗は?」
「まだ、何も...ただ、部屋の中に靴の跡が。大きさから多分男です。」
「...っ」
「床や窓の近くに血痕はありませんでしたが...その...怪我とか、してるかも...」
実際に柚木から話を聞いて心臓が凍り付く様な感覚に襲われる獅琉。
「麗...」
いつもこの手に抱いていた筈の小さな存在が無い。たったそれだけでこの世の終わりかの様に感じる。
思い浮かぶのは麗が獅琉に助けを求めて泣いている姿。
麗を探さなきゃ
頭をフル回転させて麗を連れて行きそうな人物を探すが、そもそも麗の存在を知っている人間はほとんどいない。
誰だ...一体誰が何の目的で麗を連れて行った?
「...っ...ほんとに、俺がいながら...っ麗さん、きっと今頃泣いてる...っ」
いつもはしっかりしている柚木が今にも泣き出しそうな顔で獅琉を見上げてきた。
「情けねー顔してんじゃねぇ阿呆。早く麗見つけるぞ」
ぐしゃぐしゃと柚木の頭を撫でてから麗がいた部屋へ向かった。
絶対に見つけてやるから、待ってろ。
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