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騒音発生機稼働中 1
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最寄り駅から車で一時間。
山を切り開いた場所にその学校はある。
――私立如月高校――
全寮制の男子校である。
校門を潜ると大きな噴水がある。
そこからしばらく道なりに進むと真新しい校舎が見える。
しかし今回の話の舞台はそこではない。
そこより少し離れた所にもう一つ別の校舎が立っている。
先程の校舎と比べて薄汚く、壁の至る所に落書きが書いてある。
そんな校舎の一階廊下をモースピードで駆け抜ける影が一つ。
階段をかけ上り、また廊下を疾走する。
なんだお前一人運動会でもやっているのか、状態である。
その勢いのまま、教室のドアに手をかけ開け放った。
ガッシャァァァァン
音にするとこんな感じ。
ドアを壊さん勢いで開け放った少年は、何かを探すように必死に顔を動かしていた。
赤、青、金色、色とりどりな頭が見えるなか、ある一点で少年の瞳が輝いた。
その一点に向かって少年は教室の中を歩いていく。
色とりどりな頭に睨まれていようとも、それが俗に言う不良と呼ばれる人種であろうとも。
少年が向かった先にいたのは、何の変哲もない黒髪の少年だった。
下を向いてノートを書いていた少年には今の今まで教室のギスギスした空気に気付く様子はなかった。
ノートに影が差し、初めてその存在を認識し、顔を上げた。
黒渕眼鏡に黒い瞳、どう見てもただの平凡にしか見えない。
しかし少年は、その顔を見た瞬間ニッコリと口角を上げた。
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