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それぞれの思わく 1
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食堂にて生徒会が遠山を囲んで騒がしく食事をしていた同時刻。
遠山が長山を連れ出した教室内では不穏な空気が流れていた。
倒れた机、脚の折れた椅子が散乱し殺伐としている中、真ん中に5人の不良、その周りを囲むように沢山の不良がその様子を見守るように立っている。
「もー我慢ならねぇー!あの宇宙人ぶん殴ってやる!」
「少しは落ち着いたら~?そんなんじゃいつか捨てれちゃうよ~?」
「そーそー、忠犬が駄犬に成り下がっちゃうから。あ、でも安心していいよ、その時は思いっきり指差して笑ってあげる」
「だったら俺はその指を一生使えねぇようにしてやるよ」
「「ああ"!!」」
そのうちの3人が今にも飛びかかりそうな勢いで睨み合っていた。
忠犬だ駄犬だと言われ馬鹿にされている茶髪が脇坂清太郎。
その脇坂にナイスコンビネーションで喧嘩を吹っ掛けているのが矢崎真也と澤城圭介。
矢崎の髪はてっぺんは黄色、毛先は茶色とプリンをひっくり返したような色で。
対して澤城は、青とピンクのツートンカラーという奇抜過ぎる色だった。
「お前らその辺でやめておけ」
冷静にそう言うのは赤髪の柏木智哉。
「そんなくだらないことで言い争っているのは時間の無駄だよ」
最後に声を発したのは、金髪、碧目で見た目は完全にどこかの国の王子にしか見えない倉橋・カミーユ・瑞季。フランス人と日本人のハーフたが、本人は日本から出たことがなく日本語しか話せない。
柏木、倉橋、矢崎、脇坂、澤城、この5人がこのクラスの中心人物だ。
「それにまだあの人が動かない。俺達が動く理由はどこにもないよ」
倉橋のその言葉に今まで言い合いをしていた脇坂と矢崎、澤城が口を閉ざした。
「何を考えているんだろうね、あの人は」
(・・・あいつの考えてることが解りすぎるくらい解る)
そんな自分に少々うんざりした柏木は静かにため息を吐いた。
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