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comedy 3
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「あ、僕たち葉瑠夏に見せたいものがあるの」
「葉瑠夏だから見せたいの」
そう言いながら宮内双子はソファに座っている遠山の腕を引っ張り立たせようとする。
「なんだよっ!ちょっ、そんなに引っ張んなって!」
「「早く早く!」」
遠山を引っ張っていく双子と、双子に引っ張られていく遠山を何気なく目で追う。
目に入るのは4つの机。
それらの全てに恐ろしいくらいの書類が山積みにされていた。
おそらく生徒会としての大切な書類だろうが、ここにいる生徒会役員は誰も気にしている風ではない。
噂は本当だった
一人の人間のために
よくここまで落ちぶれるものだな
ぼんやり眺めているとチクチクと突き刺さるような視線を感じた。
顔を戻すと鋭く睨み付けるように見ている目が6つ。
桐生、柳、来須だ。
「てめぇいつまでここにいる気だ」
「・・・・じゃ・・・ま」
「まったく、葉瑠夏が優しいからって調子に乗らないでください」
長山は顔を俯けた。
その肩は小刻みに揺れている。
「あなたが泣いたってどうとも思いませんよ」
「・・・ウザイ・・だけ」
「なんとか言いやがれ」
「・・・す、みま・・・せん」
震える声。それに桐生は舌打ちをした。
「俺様の前から消えろ」
長山は一度大きく肩を震わせると、立ち上がり扉へと駆けていった。
そして扉を勢いよく閉める。
中から双子と遠山の騒いでいる声が聞こえる。
これだけ大きな音を立てたにも関わらず、長山が出ていったことを気にもしていないのだろう。
その声を扉を背に聞きながら長山は笑みを浮かべた。
「・・・・・・・ふはっ」
とんだ茶番だ
遠くチャイムの音が聞こえる。
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