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光の先に見たもの 1
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長山太一は櫻川碧の全てだ。
すべての始まりは1年前、櫻川が1年の時まで遡る。
当時の櫻川は、今のように大和撫子などと持て囃されるような容姿ではなかった。
そもそも櫻川は自分の容姿を良しとはしていない。
昔から親戚には可愛らしいと撫で繰りまわされ、姉には女の子みたいとオモチャにされ。
生まれた時から周囲の目に晒され、櫻川の容姿はもはやコンプレックスでしかなかった。
それはこの学校に入学しても変わらなかった。
目立たないようにわざと髪はセットせずボサボサにし、前髪は何も見なくていいようにあえて長く伸ばした。
しかし逆にそれが柄の悪い輩のかっこうの餌食になった。
簡単にいえば根暗な容姿の櫻川は、不良どものストレスの捌け口、イジメのターゲットにされたのだ。
姿を見るたび、空き教室に引きずり込まれ暴力をふるわれる。
その度に櫻川の身体には痣が増えていった。
しかも暴力的だが頭だけは良いらしく、けして見えるところには暴行の跡を残さなかった。
なんで僕がこんなめに・・・・
何度も何度も死にたいと願った。
しかし死ぬ勇気はない。
そんな自分を呪う毎日だった。
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