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光の先に見たもの 4
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ポンポンと頭を撫でる暖かな感触。
顔を上げると目の前にあの綺麗な瞳があった。
そのうち頭を撫でていた手が額へと下りてくる。
そしてそのまま櫻川の長い前髪をすくい上げた。
クリアになる視界。
より鮮明に見えた瞳。
それが細められる。
「うん、やっぱり綺麗な顔してる。隠してるなんてもったいないよ」
そう言うと今度こそ本当に行ってしまった。
触れられたところが熱い
胸がドキドキうるさい
─可愛い、綺麗─それは櫻川にとって聞き慣れた言葉であったし、聞きたくない言葉でもあった。
だが何故だろう、名前も知らない人なのに言われた言葉全てが特別なもののように聞こえた。
そこで櫻川はハッとした。
名前を聞き忘れた!
名前が解らなければお礼を言うこともできない。
でもあんなに綺麗な人だしすぐに見つけることができる。
しかし3日、1週間 、1ヶ月経ってもその人を見つけることはできなかった。
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