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彼の人のために
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「・・・・太一様?」
櫻川は長山に近づきたいと思った。
長山の見ている景色を一緒に見たいと思った。
櫻川にとっては天使でも他の生徒から見たらただの平凡。
今は平気でもこの先なにがあるか分からない。
いつ親衛隊の標的にされるかもしれない。
そんな時、この人を守れるのは自分でありたい。
櫻川は親衛隊の中で地盤を築き、派閥を作り上げた。
その中で信頼を獲得し
その年の3月、前隊長の任命により会長親衛隊隊長兼総隊長となったのだ。
これでやっとこの人を守ることができる
・・・そう思ったのに
結局親衛隊を纏めることができず、この人を危険なめに合わせてしまった
櫻川は情けない気持ちでいっぱいになったが、目の前の長山は笑い声を上げ笑っている。
「・・・・太一さま?」
櫻川は再度名前を呼んだ。
「碧、俺はねただ誉めてあげたいんだよ」
「誉める?」
「本校舎から離れた不良の巣窟である、この隔離校舎の下駄箱に封筒を入れる。しかも力の弱い親衛隊が」
長山はゆっくりと立ち上がった。
「どんだけの勇気を振り絞ったんだろうね?ふはっ、想像しただけで笑えてくる」
そう言った長山の顔は清々しいほどの笑顔だった。
本当にこの人は・・・
「さて今度の喜劇はどんな結末を迎えるか」
まるで
「ただのコメディにならないといいがな」
新しい玩具を手に入れた子供のようだ
「楽しませてくれよ、俺を」
飽きたら捨てる
残酷な子供
この人にとったら僕も暇潰しの1つでしかない
いつ飽きて捨てられるか分からない
それでも僕は
捨てられるその時までこの人の傍にいたい
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