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バトル勃発
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「あおい」
「そんな役に立たない駄犬。さっさと捨ててしまわれたらどうでしょう」
そう言って脇坂を見る瞳はとても冷たいものだった。
「あ"あ"!!なんだとてめぇもう一度言ってみやがれ!」
「一回では理解できなかったのか?これだから駄犬は・・・・いいか、もう一度だけ言ってやるからその空っぽの頭でちゃんと理解しろよ。役立たずの駄犬はさっさと捨て犬に戻ったらどうだ、と言ったんだ」
「てんめぇ・・・言わせておけば好き放題言いやがって!二度とそんな口聞けねぇようにしてやろうか!」
「ヤれるもんならヤってみろ駄犬」
火花飛び散り、まさに一触即発。
「だいたい太一さんがお前を助けたのはただの気まぐれなんだよ。それを調子に乗りやがって!」
「よく吠える駄犬だな。太一さまは五月蝿いのは好まれない。そんな風にいつまでもキャンキャン吠えてると本当に捨てられるよ、むしろ今すぐ捨てられてしまえ」
売り言葉に買い言葉。止まらない悪口雑言の嵐。
矢崎と澤城はニヤニヤ眺め、倉橋は壁に凭れたまま碧い瞳を細めその様子を見つめ、柏木は息を吐きながら会話の中心であるにも関わらず喧騒から外れ1人静かに窓の外を眺めている長山を見、また息を吐いた。
今にも飛びかからん勢いの脇坂、それを顎で笑う櫻川。永遠に続くかと思われたそれは、たった一言で呆気ないほど簡単に終わりを迎えた。
「チャイム」
静かなその声は、しかし殺伐とした空間に不思議ととてもよく響いた。
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