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遠山が与えられた御菓子を貪り食い、それを見て生徒会が気持ち悪いくらいに口許を緩めている姿を横目で見ながら長山は静かに生徒会室を後にした。
その帰り道、なにやら小さい子達に絡まれた。
そして連れてこられたのはセオリー通り体育館裏。
目の前には三人の少年。
そのうちの一人、真ん中の少年が一歩前に出た。
「長山太一だよね」
「はい」
ここに連れてこられる時にも名前を確認されたが、呼ばれた名に素直に返事をした。
「呼ばれた理由は分かっているね」
「・・・・・・・・」
と言われても長山には心当たりが多すぎて答えられない。
生徒会の親衛隊には違いないと思うのだが、誰の親衛隊かが分からない。
長山が何も言わないのを怯えているととったのか鼻で笑い腰に手を当て強く言い放った。
「平凡が調子にのって生徒会の皆様に近づいて良いと思ってんの?あんた鏡で自分の顔見たことある?だいたい隔離クラスのくせに、平凡は平凡らしく地味に大人しくしてればいいの!あんたみたいな平凡にあの方たちの素晴らしさは分からないんだから!いい?僕でさえあの方たちの近くにはおいそれと行けないんだから、それをただの平凡が近づくなんて一億光年早いんだよ!ちくしょーっ!羨ましくなんてないんだからねバカー!!」
一息でマシンガンのように言われた言葉。
言った方は、ハァハァと肩で息をしている。
よく噛まずにあれだけ言葉が紡げるものだ。
「どーどー、少しは落ち着きなさいな。というか最後本音駄々漏れでしたけどね」
「イライラすると将来髪の毛が残念なことになるよ?」
「人を馬扱いしないで!あと剥げないから!僕の髪はいつまでもキューティクルなんだから!」
「あーあー、折角オブラートに包んだのに、自分で剥げるって言ったら虚しくない?」
突然始まった長山を無視したコントのような会話。
「それにいきなりそんな一気に話しかけられても長山くん困っちゃいますよ。あと僕たちは初対面、そんな時は自己紹介するのが常識です」
「じゃぁ、まずは僕からね。阿南柚季だよ♪会計様方の親衛隊長やってま~す」
「僕は書記様の親衛隊長を勤めています、栗原菖蒲です」
「・・・・・・・・・・・」
「ほら未来も」
「なんで僕がこんな平凡に名乗らなくちゃいけないわけ?」
「なに、なに?もしかして未来ちゃん照れてる?」
「照れてない!あとちゃん付けで呼ばないで!」
「み・ら・い?」
「・・・ふん!いい?一回しか言わないからよーーく聞きなさいよ!僕は副会長様親衛隊隊長の下関未来!ちゃん付けで呼んだりしたらぶっ飛ばすんだからね!」
どうやら櫻川以外の生徒会の隊長が全員で来たらしい。
三人が三人とも隊長というだけあって整った顔立ちをしているが、性格は三者三様のようだ。
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