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break time 終了の知らせ 2
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「本を読んでいたんだよ。ここは静かだから良く来るんだ 」
「へー!どんな本読んでるんだ?」
遠山は長山の持っている本を勝手に取り上げページをパラパラ捲った。
「うげっ、文字ばっかじゃん!」
そう言うやいなや持っていた本を放り投げた。
バサバサと嫌な音をたて落ちた本を一瞥し、再度遠山を見る。
目の前の遠山は人の本を投げたというのに罪悪感など微塵も感じないかのようにニッコリ微笑んだ。
後ろの信者どもはそれを見てポーと頬を紅く染めている。
こんな姿親衛隊が見たら確実に泣くだろう。
「一人でこんなものばっか読んでるから太一は友達がいないんだぞ!そーだ!今、学校の中を探険してんだ!太一も一緒に行こうぜ!」
遠山は、なぁいいだろ!と、さも名案を思い付いたかのようにキラキラした瞳で長山を見た。
それを黙っていないのは勿論後ろの信者達だ。
只でさえ自分以外は全て邪魔なのに、まだ増えては堪らない。しかも自分の想い人である遠山が一番執着している平凡だ。
なんとかしなければ、信者達は一様に頭を働かせた。
「・・・・・あっ、そうです。あなた担任の先生に呼ばれてましたよ。昼休みが始まって直ぐに呼んだのに、まだ来ないとかなり御立腹のようでした」
教師が生徒会役員といえど一生徒にそんな愚痴を溢すわけがない。
しかし、そこは単細胞の遠山、あっさりと柳の言葉を信じてしまった。
「ホントか!先生の言うことは聞かなきゃ駄目なんだぞ!こんなとこにいないで早く行けよな!」
遠山はそう言うと信者達を引き連れてアッサリと出ていってしまった。
長山はそれを見届けると、投げられ床に落ちた本を拾い上げる。パラパラ捲り中を確認する。
裏表紙が曲がっているだけのようだ。
それを確認するとそっと本棚に戻した。
しかし
さっきの信者どもは実に滑稽だった
俺のことを悪く言うことによって
自分の株を上げようとでもいうのか
そんなことをしても
猿は猿でしかないのに
「・・・・・・まだまだ楽しめそうだな」
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