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親衛隊の鬱憤
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かくして長山に対する制裁が始まったわけだが、どういう訳かいっこうに成功したとの報告は入ってこない。
それにイライラしてフラストレーションが溜まりに溜まって爆発寸前なのは下関をはじめとした親衛隊達だ。
「下関様ダメですっ!」
「こっちも失敗です!」
「もー!!どうして!なんで上手くいかないの!?」
地団駄を踏み頭を振り乱しながら顔を歪める下関の周りには大勢の副会長親衛隊の隊員達が集まっていた。
「栗原あんたのとこはっ!」
「こちらも駄目ですね」
「阿南あんたマジメにやってんの!」
「未来ちゃんヒステリックになりすぎ。お肌荒れちゃうよ?ついでに僕はいつだって一生懸命だよ」
そしてそこから少し離れた所に会計親衛隊、書記親衛隊がそれぞれ塊を作り集まっていた。
「ムサイ奴等に命令しても皆長山太一の名前を出したとたんに断るし・・・・僕の体好きにして良いって言ってるのに!もぅ訳分かんない!」
下関がヒステリーを起こすのも仕方ないことで。
ここで言うムサイ奴等とは、柄が悪く、素行が悪い所謂隔離校舎の不良どものことである。
その不良どもが下関が命令したところで動かないのもまた然り。
飼い犬は主人を噛んだりしない。
今、この場でその事実を知っているのは阿南、ただ一人。
いつ、気づくんだろう
自分達の愚かさに
阿南は自らが統一する会計親衛隊の塊に混じって、今にも暴れだしそうな下関と、それを宥め落ち着かせようとしている栗原をどこか冷めた瞳で見ていた。
その場にいる隊員達は、皆一様に想い人のことで頭がいっぱいで誰もそんなことに気づかない。
こうやって誰かが堕落していく様を見るのはとてつもなく楽しい。
だが傍観者になる気などさらさらない。
話の中心にいた方が楽しめる。
阿南はそうやってまた自分と大切で大好きな人の為に中から引っ掻き、掻き回すのである。
より面白く物事が動くように。
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