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奇人変人コンビ
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カタカタカタカタカタカタ.......
真っ暗な空間にぽぅとパソコンの液晶画面が怪しく浮かび上がり、一心不乱にキーボードを叩く指だけが青白い光に照らされ、いっそう不気味さを醸し出していた。
忙しなく動く瞳は液晶画面に映る文字の羅列をただひたすら追いかける。
「あーあ、こんな暗いとこでパソコンなんてやって目悪くなっても知んないよ」
その声と同時にぱっと明るくなる室内。
闇から光へ、突然切り替わった室内に目を細め硬直したのは一瞬で、すぐにまた指を手早く動かし始める。
「ちょいちょい、俺の話聞いてますか~?ご飯食べに行こう、つってんの」
そう言う澤城の声にも反応せず、矢崎は液晶画面を見続ける。
「しーんーやーくーん」
「・・・・・・・・・」
「シカトとかなしでしょ、俺寂しぃからー」
「・・・・・・・・・」
「聞いてる?てか聞こえてる?」
それでも反応を返さない矢崎に呆れつつ、後ろからがばりと抱きついた。
「お腹すいたんだけど!!!」
「・・・・・重たいんだけどー」
「真也が悪いんですー、てか何をそんな真剣に調べてんの?」
矢崎は澤城に画面が見えるように 少し体を横にずらす。
澤城が覗きこむ先、真っ黒な画面には英語と記号が不規則に並んでいた。
もちろん澤城がそれを見て、意味を理解するわけもなく。
「風紀委員長、鳴海公平について」
「鳴海・・・?なんで・・・・」
そう言って矢崎の顔を見た瞬間、澤城は全てを理解した。
「・・・・・そういえば、あの人に頼まれてたね」
よくよく考えれば解ることだ。
自分も含め他のメンバーが動くのはただ一人の為だけ。
「で、収穫は?」
そう言う澤城に何も言わぬまま、一枚の紙を差し出した。
それを受け取り文字を目で追う。
「ふーん」
「こういうのもあるよ」
聞いておきながら、さして興味がないような反応をする澤城は、続いて渡された紙に目を通すと口をにんまり歪ませる。
「・・・・・へぇ」
瞳をギラギラ輝かせる。
それはまさしく獲物を見つけた野生動物のそれだ。
「俺こっちの方が好きだわ」
「そう言うと思った。でも俺もそっちの方が好き」
「あの人じゃないけど、これから楽しめそうじゃん」
「同感、そろそろ行きますか」
「どこに?」
「お腹すいたんでしょ。駄犬の作ったご飯でも食べに行ってあげようかと思いまして。ついでにこの情報もあの人に教えなきゃだし~」
「ほーい賛成!てかついでなのは駄犬が作るご飯の方じゃないの~?」
「あはは、かもね~」
電気が消された部屋は、再び闇に支配される。
パソコンの青白い光だけが闇の中でもその存在を主張するかのようにぽぅと浮かび上がっていた。
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