アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode8 『匿い』 ①
-
「「!?」」
村上と霧間は珍しく心境が一致した。
「王生…皇…!?」
村上は驚いたのは束の間、予想していた人物らとは異なり安堵した。
しかし、すぐに疑問が浮かび上がる。
何故、不登校中の高嶺の絶対王者と呼ばれる王生皇がこの場に姿を現したのか。
何故、霧間の名を呼んだのか。
「慎弥、言っただろ?『あまり油断していると、思ってもいなかった奴に後ろから噛み付かれるかもな』って」
王生は未だに動けないでいる霧間をジッと見つめながら言う。
「……」
霧間は反射的に「五月蠅い」と反論するしようとしたが心に留めた。
王生の忠告を無視した結果が今この様なのだ。
そして何よりも、状況が悪過ぎる。
今この場には、自分の動きを封じた原因である村上と、
一度しか手合わせをしていないが嫌と言うほど分かった馬鹿力の王生の2人。
ーー逃げるのは不可能
霧間は目覚めた時から自分の身体に「動け」と鞭を打っているが、
首元にスタンガンを強く当てられた影響で歩いたり、ましてや走れる状態ではなかった。
霧間にはそもそも「味方」という概念は存在しないが、
こうも分かりやすく逃げ道を塞がれていては行動のしようがない。
「躾けられた猫みたいだな」
王生は眉間に皺を寄せてこちらを睨む霧間をフッと笑い、
ゆっくりと霧間に近づく。
「おい」
村上が霧間と王生の間を塞いだ。
「王生ぃ…てめぇは何しにきたんだ?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 47