アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode2 『不登校の登校日』 ⑤
-
「空っぽなのは君たちの頭だよ」
突如降ってきた声に、カツアゲをしていた不良たちはその声の主を探した。
「誰を探してるの?」
「うぎゃぁあっ!!!!」
もう一度同じ声がしたかと思ったら、同時に不良の一人が悲鳴に似た叫び声を上げた。
それもそうだ。
その不良は、腕をあり得ない形で後ろに捻り上げられていたのだ。
「ごめん、痛かった?」
声の主であろうその男は笑いながらパッと捻り上げていた手を離した。
不良はあまりの痛さにその場に崩れ、腕を抱え込んで涙を流している。
するとすかさず、残りの不良たちが一斉に男に飛び掛かる。
「きりまぁーーーーー!!!!」
鋭い眼光と拳が迫る中、『きりま』と呼ばれた男はポツリと言った。
「僕より強い奴なんて、この学校に居ないよ」
瞬殺というのは、今まさに、この場面のことを言うのだろう。
桜が舞う中、霧間もまた、舞っているように見えた。
そして、その姿をハナから見ていた銀髪の男、王生は霧間の姿に目を奪われていた。
――アイツが………『霧間慎弥』…か。
戦いが終わり、
倒れた男たちの真ん中で、桜にゆっくりと目を移す美しい霧間。
王生は自然に思った。
――綺麗だ…。
そして
『手に入れたい』
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
12 / 47