アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Episode4 『初対面、初手合わせ』 ④
-
気に食わないが、王生皇の力は認めよう。
今まで僕をあんな風に抑えつけることができた人間はいなかったからね。
首に手を回された時、本当は何をされていてもおかしくはなかった。
あいつの力なら僕の首をへし折ることなんて容易い事だろう。
それか、首を絞めて苦しめることだって可能だったはず。
それなのに
――なめた真似をしてくれるね…
王生は霧間を
ただ、抑えつけるだけだった。
それが逆に霧間の神経を逆なでる。
王生の行動はまるで、暴走する猫を力ずくでなだめているようにも思えた。
霧間にとって、あの短時間の出来事は、屈辱としか言いようがない。
しかし、それとは別に、異なる感情も沸々と湧き上がっていた。
――『俺はお前より強い』
「とんだ戯言だよ」
頭に残る王生の言葉に、霧間はボソッと呟く。
「また、会いたいな」
霧間は、会いたいという言葉とは裏腹に、鋭い眼光で、王生が見ていた淡い水色の空を見つめるのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 47