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Episode6 『はぐれ者の末路』 ⑦
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――へぇ…只の小便臭ぇ糞餓鬼だと思っていたが…こりゃあコチラ側の素質があるかもしんねぇなぁ…
「悪くはねぇ」
首を絞められている状況にも関わらず、サングラス男は笑った。
「!?」
サングラス男は村上の目を目がけて唾を吐き、一瞬の隙を見て今度は村上の首を鷲頭掴みにした。
「ぐ…がぁっ!!!」
サングラス男の力はとてつもなく、村上の足は少しだけ宙を浮いていた。
「お前は使えそうだ」
サングラス男はククク、と笑いながら楽しそうに村上の首を締め上げる。
――このヤロ……なに笑って…苦し……
「!」
大人数の漆戸組と戦っていた霧間はほぼ全員の意識を奪い、残りの一人と間合いを詰め、拳を交えていた。
しかし村上の状況に気付くと焦ったように顔を歪める。
その霧間の表情に満足したのか、サングラスの男は霧間の相手をしている漆戸組の男に叫んだ。
「ナイフ寄こせ!!!」
――しまっ…!!
ヒュッという音と共にナイフが宙を舞う。
今まで結構な人数の相手をしていたこともあり、霧間は突然のやり取りに身体が反応できず、ナイフは簡単にサングラス男の手に渡ってしまった。
「カタギの高校生に手を出すのは遠慮していたが、気が変わった。残念だなぁ、糞餓鬼」
サングラス男はそう言って、村上の首を締め上げていないもう片方の手でナイフをゆっくりと振り上げる。
振り上げられたナイフは淀んだ灰色の空を映し、鈍く光っていた。
――俺は、ここで死ぬのか…
――き…り……ま……
その鈍い光は村上の思考を遮るように、躊躇なく振り下ろされた。
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