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Episode6 『はぐれ者の末路』 ⑩
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――俺の…せい…か…
俺の思考は自分でも驚くほど冷静だった。
俺にとって唯一の光だったその存在。
守りたかった。
力になりたかった。
先走った俺の気持ちと真逆な結果が今、目の前にある。
もう取り返しがつかない。
霧間を傷つけたのは――俺だ。
「おっと。俺はシンヤくんと一戦交える気はないよ。というか、そんな気力、君に残ってないでしょ…?」
サングラス男は両手を挙げて霧間と戦う意思がないということを示す。
「今すぐその軽口、叩けなくしてあげるよ」
霧間の声は冷たく、表情も暗く、静かにサングラス男を睨み続けていた。
しかし、強い口調とは裏腹に、霧間の背中からはポタポタと赤い血が流れている。
サングラス男は殺気めいた霧間を見て、フッと笑う。
「今のシンヤくんをお持ち帰りするのは容易いことだ。でも、本当の今日の目的は、違うんだよね」
「…どういう意味?」
確かに、傷一つ負っていないサングラス男が、深手を負っている今の霧間を捕らえることは容易いように見える。
そして、サングラス男はゆっくりと、残酷な言葉を霧間に告げる。
「シンヤくん、君の顔は、最高に、歪んでいる」
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