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鬼灯
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今日は休日。
イコール、僕が望兄さんからの研修と言う名の手解きを受ける日。
以前は庄之助さんの役目だったけれど、引退してからは望兄さんの仕事になった。
水揚げの前のちょっとした練習と言うか、慣らしを庄之助さんにされた時もかなり恥ずかしかったけれど、歳が離れているとはいえ兄弟のように一緒に育ってきた望兄さんにそれをされるのは、余計……。
それに、
「鬼灯、挿れるぞ」
「は、い……ぁ、」
「ほら、また強張ってる」
「すみま……いっ!」
「はぁ、一旦抜くぞ」
「ん、あ、すみません……」
水揚げの前は、初めてはお客さんにって事で本番はしないけれど、その後は、最後までするから。
僕はまだ行為に慣れて居なくて、どうしても身体が強張ってしまう。
でも理由はそれだけじゃない。
「まあ、気持ちは分かるけどな。初々しいって言ってもらえる今のうちに慣れておかねえと」
「ごめんなさい……でも、」
「何だ」
「その、望兄さんとだと何か照れるし」
「……お前なぁ。プロ意識が足んねえよ」
ちょっと不機嫌な顔になる望兄さん。
まずい、本音言うんじゃなかった。
「それもあるけど兄さんのでかいし!」
きょとん、とした顔をした望兄さんは、一瞬後、大きな声で笑い出した。
とりあえずお説教は免れたようだ。
「それは最高の褒め言葉だけどな」
あ、涙が出るほど笑ってる。
美しい顔をした兄さんは、冷たく見られがちだけど。
こうして笑っているととても可愛らしく見える。
「お客にも色んな人が居るしな。モノの大小もそうだが、あまり慣らさないのが好き、なんて奴も居る」
ちょっと寒気がした。
唯でさえ、慣れない行為に痛みを伴う事が多いのに。
「だから、うまく力抜くとか、慣れておくのは自己防衛なんだよ」
「はい」
「慣らしが足りないと思ったら、もっとって強請ってみるとかな」
「え……」
そんな事、出来るかい……。
思わず心の中で突っ込んでしまう。
僕はそんなに可愛らしい方でも無いし、それに
「色気無いってよく言われるし」
「あ?」
「いや、僕がそんな事言ってお客さん喜びます?」
「お前……何も分かっちゃいねえな」
望兄さんが、がっくりと肩を落とす。
「喜びますか?じゃなくて、お客を喜ばすのがお前の仕事なんだよ」
「……そう、ですよね」
「これは頭の中に叩き込んどけよ。いいな?」
「はい……ぁ」
再び、濡らした指が後ろに入ってくる。
「こういう時に、足りねえと思ったら強請るんだよ。ただし、お客が下手だからって思わせないように上手くやるんだぞ」
「ん、は……どうやって、」
「んー、例えばやだやだって言ってたのがスイッチ切り替わったみたいにもっとってなるとか」
ほれ、言ってみ?
なんて言われて。
恥ずかしいけど、やらなきゃまた叱られるしなぁ。
「やっ……あ、ぁ、やだやだ、やめ……あ、もっと、もっとぉ……」
「この大根!」
「いてっ!」
致してる最中にデコピンは無いと思う。
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