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牡丹
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「薄氷さんあんあん五月蝿いんですけどー」
「お前もな」
「ヘッドホンしろよ」
「お前もな」
仕事も終わり爽やかな朝、響き渡る喘ぎ声。
只今絶賛AV鑑賞中である。
こればっかりは趣味だから止められない。
相部屋の薄氷は、これまた絶賛エロゲプレイ中である。
「エロゲって楽しいの?」
「楽しいとても」
「倒置法やめろ」
「お前こそ、よくそんな巨乳ばっか見てて飽きないな」
「馬鹿野郎、おっぱいは正義だ」
「それには同意だが時代は微乳だよ牡丹君」
「優等生キャラやめろ」
そんな不毛な言い争いをして居る所に来客があった。
「ちょっとぉ。廊下まで聞こえてるんですけど」
「竜胆兄さんいきなり開けるの止めて下さい」
薄氷が文句を言う。
けれど、それは形ばかりでPCのモニターを隠そうともしない。
僕もだけど。
「相変わらず、薄氷はオタクだねぇ」
「ええ、それはもうどっぷりと」
「ふぅん。まあ、夢中になれる物が有るのは良い事だよね」
と、兄さんは一人で納得したようだ。
「でも、仕事で散々セックスしてるのに良くそう言うの見る気になるね」
「エロゲは別腹です」
「おっぱいは正義です」
「あっそう……」
呆れたような態度なのに、竜胆兄さんは僕の隣に座る。
「ちょっと、何寛いでるんですか」
「俺も久々に見てみたくて」
寝る準備をして居たのだろう、眼鏡をかけて画面を見つめるその横顔は、如何わしいものを見ているとは思えない男前ぶりだ。
「この子、ほんと大きいねぇ。色白だし肉まんみたい」
「色気無い事言わないで下さいよ……」
三十路のいい大人とは思えない。
「竜胆兄さんは大きいのと小さいのどっちが好きですか?」
薄氷が問う。
「んー、中間くらい」
「つまんね」
「おいやめろ薄氷」
「相変わらず生意気だねぇ、俺先輩なのに」
そうは言いながらもからからと笑っている。
大人になって自ら此処にやって来た僕達と竜胆兄さんは、何となく一緒に居る事が多い。
此処に来たばかりの頃、右も左も分からない僕達に特に心を砕いてくれたのが竜胆兄さんだった。
もちろん、生え抜きの陰間達も良くしてくれたし仲は良いけれど。
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