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竜胆
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まあ、何と言うか、若気の至りだったんだ。
自分が皆とは違うと気付いたのは、思春期の初め頃。
かっこいい男の子に胸がときめいて。
高校生になってすぐ、ちょっといいなと思った先輩に抱かれて。
お互い、興味本位だった。
でも、身体を重ねる度に俺ばかり彼に夢中になって。
重いと言う理由で捨てられて、自棄になって歓楽街で大人の男を引っ掛けては金と引き換えに抱かれた。
今思えば、馬鹿な事をしたもんだと思う。
いい男なんて他にいくらでも居るのにね。
そんな時、偶々引っ掛けた一人が先代だった。
「春を売るなら、俺の所でやってみないか?お前ならきっとうちの見世の看板になれる」
自分が必要とされている気がした。
学校はちゃんと卒業すると約束して、住み込みの禿にさせて貰って。
両親とは揉めに揉めて、最後には勘当されてしまったけれど、俺の居場所はここだと決めた。
生え抜きの子達に早く追いつきたくて、見世に居る時間は寝る間も惜しんで接待や芸事の稽古。
さすがに太夫は難しかったけれど、中途組としては異例の早さで格が上がって行ったのは俺の誇りだ。
「こんばんは、ようこそいらっしゃいました。竜胆と申します」
挨拶すれば、今夜二人目である一見のそのお客はおどおどと此方を見やる。
「あ……はい。よろしく、お願いします」
俺のお客はこういう人が多いんだよね、何故だか。
筆下ろしとか、Mっ気のある人とか。
ちょっと解してあげようかなと、応接間だがソファに座るお客にしなだれ掛かる。
「そんなに堅くならないで下さいな。取って食べやしませんから」
冗談めかして腿を撫でながら耳元で囁けば、体温が上がったのが分かる。
「さぁ、お部屋に参りましょう?」
今日のお客はかなり若そうだ。
この歳で此処に来ると言うことは、大方良い所のぼんぼんだろう。
「あの、僕、初めてで」
「あら、お相手に選んで頂けて光栄ですよ」
にこにことそう言えば、真っ赤になって俯いてしまう。
今時珍しいくらい初心だなぁ。
「その、父に……婚約者とする前に教えて貰えって」
「左様でございますか」
婚約者、ねぇ。
どうせなら、こっちじゃなくて遊女のお姐さん方にお願いした方がいいような気もするけれど。
「失礼だとは思うんですけど……」
「お気遣いは有り難いですが、それが手前共の仕事ですから」
「でも、」
煩い唇を塞ぐ。
「気に病むより、楽しんでくれた方が嬉しいよ?」
「は、はい」
いちいち反応がいじらしくて、燃えてくる。
部屋に入り、手取り足取りって事なら本番と同じ様に裸の方がいいだろうと帯を解いて着物と襦袢を肩から落とせば、急に後ろから抱き締められてうなじを吸われた。
先程迄の恥じらいは何処へやら。
若いねぇ。
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