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説得と言葉
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龍希は、あまりの告白に、幸せを噛みしめ、
カミングアウトをしてみようと誓った。
そして、己の幸せを感じたならば、ことさら先程までの喧嘩や最後の最低な言葉に嫌悪し、貴仁に謝ったなら、貴仁は
「うん、でもあの言い方はね、俺にと言うか、バイセクシャルな人にもきっと失礼だから、それはちゃんと反省なさい。」
と叱られた。
そして、普段も何かとゲイとノンケなどと言っては線を引かれると疎外感を感じるよ。と教えてくれた。
それは、全く気付けていなかった事で、龍希は心から謝罪をし、
「……言葉って難しい。」
と呟くと、貴仁はそうだねと龍希の肩を抱く。
「まぁ、言葉のあやって言うからな、そんなつもりじゃなくつい言ってしまう事は誰しも有るさ。
でもね、同時に言葉は一度発したならば簡単には回収出来ない物なんだって覚えておくのはいいかもしれないな。大切に、使うものだ。」
二人縁側に座って寄り添い肩を抱き
昔から知るこの庭を見つめてかわす言葉はやはり大切だものなと理解する。
「……話戻すけど、カミングアウトする事、決定で、大丈夫か?」
貴仁が少し不安そうに龍希に訪ねると、龍希はうんと頷いた。そして、なるべく自分の中の最高だと思える笑顔で貴仁の顔を見つめた。
それは通じたようだ。貴仁は何より嬉しそうに、にやっと笑うとそのまま、うんうんと何度も何度も笑みを浮かべたまま頷く。そして龍希の唇へ軽いキスをすると、
「ありがとう。……じゃあ、家に皆を読んで食事をしよう。そこで、俺達の話をしようか。」
その言葉は、現実味をおび、承諾をしたものの龍希は少しだけ不安を感じる。
怖さも不安も簡単には無くなりはしない。
それでもやってみよう。と龍希は自分へ渇を入れる。
日程の調整をつけてまた決めようと話を終えると
いつものように、自分の部屋で寝る為に戻ろうとする龍希へ、貴仁は
「今日はさ、一緒に寝ようか。」
と、最愛の男の手をとる。
そして、龍希はふふふと嬉しそうに頷きながら抱きついた。
愛している。
気持ちが、なんだかとても重なった気がする夜であった。
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