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木蓮の庭で
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先に話した、交際していたけれど別れた2人の人物も、勿論男性だ。
ずっとと誓った恋は、当たり前のように去って行った。
誓った「ずっと」は数ヶ月から数年で終わるものばかりだった。
きっとどちらも悪かった
龍希もどこかで本気になれずにいたのだと思う
幸福を得る事に怯える癖がある
そして何より、やはり忘れられないあの人の存在だ
その忘れられないあの人。
名を新井田貴仁と言う。
龍希とは、丁度10歳年上の彼は、ゲイではない
ストレート。いわゆる、ノンケ。で、あった
龍希の実家のすぐ隣の家は、その貴仁の祖父の家で、
昔からよく祖父の家に出入りしていた貴仁が、祖父の亡きあとこの家の主となった。
祖父からお隣の子供が児童養護施設へ行ったみたいだと言う話は聞いていたし、
何度か挨拶程度はした記憶があった事もあり、
施設から戻った龍希に声をかけたのが、
貴仁だった。
そして、
同じようにその頃の龍希に良くしてくれた女性がその家には居た
貴仁の恋人で、名を香奈子と言う。
優しく、いつも笑顔で、時に厳しく叱る時にはしっかりと目を合わせて、真っ直ぐに叱ってくれた。
龍希には、姉のようにも思えたのだろう。
自分を施設に入れた事に少しの罪悪感が有り、近所の眼も気なりだした事で、施設から龍希を戻した母は、龍希の事はなるべくその瞳に入れない生活を送った
叱る事は勿論、注意や意見をする事も、果ては、おかえりの挨拶も無い。
そんな本当の母親からは得る事の出来ない
家族のような愛を、香奈子から感じていた。
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