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朝起きると目前に広がる美形
いわゆるそれはキス待ち顏と言われるもので、しかも無駄にイケメンがしてるものだから世の女子がみればそれは眼福物だ
しかし考えてもみてほしい、それが同性で、しかも実の兄にされている俺の気持ちを
思いきり眉間に頭突きをした俺に非はないと思う
「いったぁ…愛が痛いよあきちゃん…」
「どう考えてもお前が悪いわ」
俺の名前は
佐久間 晃(さくま あきら)
平々凡々な高校1年生である
涙目で鼻筋を押さえるこいつは
佐久間 梓(さくま あずさ)
二歳年上の高校3年生で、こう見えても俺と血の繋がった正真正銘の実兄である
こう見えてというのも、俺と梓の見た目は、不服ながらあまりにも違う
俺の顔はいたって普通
ちょっとまつ毛が長いねーって言われるけど
まじで特徴がなさすぎて説明するのも困難な、フツメン
それに対して兄貴の顔は、完全にDNAの贔屓だとしか思えない
ぱっちりと大きくて綺麗な二重の目に、ツンっと高い鼻、薄い唇に滑らかな肌
俺にはまず似合わないようなクリーム色の髪を、完全に我が物にしたその姿は、まるで王子様である
らしい
俺からしてみれば、顔面がいいだけの変態の
兄である
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