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孤爪 研磨と甘味Ⅱ
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「…意外だね」
「何がですか⁇」
コンビニへ向かう道中
俺の言葉に 影山が首を傾げる
「…影山 こういうの好きなんだ」
「え⁇ ああ… 俺じゃないんです」
「⁇」
「俺の……」
言葉に詰まった影山を見上げると
心無しか赤い顔をしていた
「…す… 好きな奴の… 好物で…」
それだけ言うと 影山は俯いて黙ってしまった
そんなに恥ずかしいなら
無理して言わなくても良いのに…
「…そうなんだ」
「…ッス」
「「………」」
…気まずい
「…そいつ」
影山の方に視線を向けると
試合中とは全然違う顔をしていて
こんな顔もするんだ…って正直 少し驚いた
「俺に笑ってくれた事とか無いんですけど
いつも コレ食べてるから…
お土産に買ってったら 笑うかなって…」
「…そう」
はにかんだような瞳の奥は 少しだけ寂しそうで
なぜだか俺まで哀しくなってしまい
ゆっくり視線を前に向けた
「…そういえば」
「⁇」
俺が 影山を見上げ直した時には
さっきと瞳の色は変わっていて
いつもの影山の様に見えた
「ちょっとだけ 孤爪さんに似てます」
「え⁉︎」
予想外の言葉に かなりビックリして
次の言葉が中々出てこない
「…ど どこが⁇」
「う〜ん…」
真っ黒な瞳に ジッと見つめられて
つい顔を背けてしまった
「いつも眠そうなとことか」
「…へぇ」
それ他にも居そうだけど…
「あと やる気無さそうなのに
実は色々考えてるとことか」
「………」
…何か恥ずかしい
「あ あと」
「も もう良いよ…」
影山の率直さに耐え切れなくて
俺はパタパタと空を切った
そう⁇ とでも言いたげに影山が首を傾げた後
俺は少し気になった事を 思い切って聞いてみた
「…影山は αだよね⁇」
「はい」
「…その子は Ωなの⁇」
「そうです」
「じゃあ 番なんだ⁇」
「……いえ」
影山の返答に 俺の足が一歩出遅れてしまい
それに気付かれない様 少し歩幅を大きくした
「…そいつ
同じ学校に 好きな人が居るんで…」
「………」
影山の言葉を受けて 俺の眉間に皺が寄る
どうして皆 そんな不毛な恋が出来るんだろう
俺なんて たった数日で
死んじゃうかと思う程苦しかったのに…
「この前 俺と番になれって言ったら
嫌って言われちゃったし…」
「………」
リエーフと気が合いそうだな…
なんて思った俺は かなり他人事だったと思う
「…いきなりそんな事言ったら そうなるよ」
「…でも」
影山が少しモジモジしていたので
俺はハッとなった
「…ま まさか… そういう事…してるの⁇」
「う⁉︎ あ… いや… その…
に 二回だけですよ⁉︎」
「⁉︎」
二回も⁉︎
なんか本当
俺とクロって やっぱり普通じゃ無いんじゃ…
「…それって どういうキッカケでしたの⁇」
俺は 恐る恐る聞いてみた
「…最初は… 正直 良く覚えてないんです」
「⁇」
「あっちが経験豊富で 何から何までされて…
俺は 無我夢中なうちに終わっちゃって…」
俺は自分の顔から血の気が引くのを感じた
「…俺 その人と全然似てないと思う…」
でも どうなんだろう…
そういう事は全部クロに任せるつもりでいたけど
俺も何かした方が良いのかな…
でも 夜久さんは…
「………」
俺の頭の中はパニック状態で
なんだか目の前が グルグルした
「…でも 正直 そういう事するよりも」
影山が話だしたのが聞こえて
俺は チラッと目線だけ影山に向けた
「…及川さんじゃなくて… 俺の事…
好きになって欲しいです…」
「………」
及川さんが誰なのか 俺には分からないけど
影山の姿が数日前のリエーフと重なって
無意識のうちに その頭を撫でていた
影山がビックリした様な顔をしているのを見て
俺は顔が 一気に熱くなるのを感じた
「俺 最近 影山と同じ様な状況から
番になった奴知ってる…」
「本当ですか⁉︎」
「うん…
だから 影山も… 頑張って…」
「はい‼︎ アザッス‼︎」
「…あ 着いた」
コンビニで目当ての物を買い終わると
影山にまたお礼を言われて
どういう反応を返したら良いのか対応に困った
「…じゃ 戻ろ」
「はい‼︎ そういえば 孤爪さん‼︎」
「…何⁇」
「視線フェイントのコツ
聞いても良いですか⁉︎」
「…え」
帰り道は
ひたすらバレーについて質問責めにされて
正直 かなり疲れた
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