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話の後に 4
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エレベーターを降りてホールを抜けると雪弥さんは楽しそうに笑いながら、くるりと振り返った。
「ふふ、なんか真都くんって犬みたいだね」
「へ?」
「なんか僕の後を追ってくるのがね、かーわいい、と思って」
犬みたい…かな。
行き先が分からないから後をついていくのは必然なんだけど…そういう意味ではないんだろう。
というか、雪弥さんさっきから妙に上機嫌に感じるのは、もしかして顔に出ないだけで、かなり酔っ払ってる?
そして、ふと前にラジオでともさんにも似たような事を言われた事を思い出した。
『おまえは人に構って貰えたら嬉しくて尻尾振って来る、それが誰相手でも構わす懐くもんだから、かわいいけど馬鹿犬なんだよなー』
「あ…よく、言われます」
「よく言われるの?」
「そうですね、すぐ懐いてきて犬っぽいって」
雪弥さんは、俺の言葉に「わかるわかる」と頷きながら、部屋のドアを開けてくれた。
「はい、どーぞ。お犬様」
そう言われて悪い気はしないのは、俺が犬気質だからだろうか。
それとも俺も酔っているのだろうか。
「あ、お邪魔します…」
さすがにビショビショにぬれたズボンの裾で部屋にあがるのは、申し訳なくて軽く折り曲げると、雪弥さんに「別に気にしなくていいのに」と言われた。
部屋の中は、本人からは想像もつかない殺風景な部屋だった。
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