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一夜明けて 1
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あの後スヤスヤと眠ってしまった雪弥さんも横目に、もんもんと悩んだけれど、疲れもあったのかいつの間にか寝てしまっていたようだ。
朝日が眩しくて、閉じている瞼に更にぐっと力を入れてしまう。
隣に既に雪弥さんの姿はなく、代わりにリビングから物音が聞こえることで、存在をなんとなく察することが出来た。
「おはようございます、雪弥さん…」
昨夜のことを思い出すと、どんな表情をすればわからず、気まずいことこの上ない。
しかし、雪弥さんの態度は、昨夜のことなど忘れてしまったかのようだ。
「あ、おはよう。真都くん。眠れた?」
にこにこと笑顔で挨拶され、俺は戸惑ってしまう。
「はい…お陰様で」
「そっか。まだカーテンもレースしか付けてないから、眩しかったでしょ」
「いえ、普段寝坊しがちなんで、これくらいの方が」
「そっか。あ、アレルギーとか無かったよね?適当に朝ご飯用意しちゃってるんだけど」
「何から何まですいません…」
寝ぼけた思考のせいか、朝の普通の会話と昨夜の異常な展開がうまく結びつけられない。
昨日のアレは夢で、俺の願望か何かだったのだろうか。
雪弥さんは憧れの人だし、溜まってたから、そんな夢になるかもしれない。
そう思えば、全て辻褄が合う。
それにしては、随分とリアリティがある夢だったけど…
と、考えた所で、昨日の出来事を事細かに思い出してしまい、改めてあれは夢ではなかったと確信する。
だからといって、ここで無闇に口を開いても自分が混乱するだけな気がした。
第一何て切り出せばいいのかわからない。
昨夜のことは、自分の中でも全く整理がついていないし、この先つく気もしない。
何か言葉にしようにも支離滅裂な言葉しか出てこないだろう。
まずは雪弥さんを真似て『何事も無かったかのよう』に振る舞うことを決意した。
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