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街中では 4
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時間も早いせいか、店の中は空いており、すぐに席に案内された。
ランチメニューは、四種類から選ぶ方式で、いずれも3桁のお手頃値段だ。
豚肉の専門店らしく、唐揚げ以外は全て豚肉のメニュー。
俺はトンカツ、雪弥さんはしょうが焼きの和膳を頼んで、のんびり待つ。
「雰囲気いい店なのに、安いんだねー」
「さすが平日ランチですね、夜の時間はそれなりの値段みたいですよ」
「なるほど。ランチ価格最高だね。お、来たみたいだよ」
「おー!美味しそう!」
「「いただきます!」」
二人で声を揃えて、ご飯を食べはじめる
合間合間に舞台の話を挟んで会話も食事もするすると進んでいった。
「ふぅ、お腹いっぱい。おいしかったな。付け合わせサラダのドレッシング美味しかった。オリジナルかな?」
「雪弥さん料理好きなんですね」
「そうなんだよ、僕小さい頃マザコンでさ、ずっと母親にべったり引っ付いてて、横で一緒に料理してたから自然と好きになったんだ」
「へぇ、じゃあ今度また何かご馳走して下さいよ…あ、さすがに図々しいか」
思わず、心の声まで音にしてしまった。
それが顔に出たのか、雪弥さんはおかしそうに笑いながら応えてくれた。
「図々しくないよ、いつでもおいでよ。人に振舞うのも好きなんだ。あ、じゃあ今日のダイニングテーブル届いたら誘うよ、見に来て欲しかったし」
「ありがとうございます!絶対行きます。代わりにお酒差し入れで持っていきますね」
雪弥さんは「待ってるね」と言って会計の準備をはじめる。
「あ、ここは俺払いますよ。昨日の夜からご馳走になりっぱなしですし!」
そう声をかけると、雪弥さんは首を振った。
「だーめ。後輩は素直に奢られてよ。」
悪戯っぽい笑みで、伝票を手にとって雪弥さんはさっさと出口へと向かう。
あの笑顔を前にしたら、もう何も言えないよ…。
本当ズルイ笑顔だなぁ。
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