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飲み会にて 2
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会が始まって1時間を過ぎると、なんとなく役者は役者同士、メイクはメイク、小道具、大道具…と、それぞれの担当の仕事でグループが出来はじめる。
そして、それぞれで舞台に関する話し合いをしていた。
「すいませーん、仕事で遅れちゃって…」
よく通る聞き覚えのある声が、会場の後方から響いてきた。
みんなの視線が自然と後方に集まるとそこには、申し訳なさそうな表情を浮かべる雪弥さんだ。
「おーこっちこっち。お疲れ様ー」
監督が手招きすると、雪弥さんはにこっと笑顔をみせて、監督の方に駆け寄って行く。
「仕事押しちゃって…すいません。もう少し早く来れると思ったんですけど」
「いいの、いいの!来てくれるだけで嬉しいよ。あっちで役者さん達あつまってるよ」
監督は簡単に説明して、雪弥さんにビールを注いで背中を押した。
「あ、真都くん来てたんだ!」
俺に気付いた雪弥さんは、役者の輪に、すっと入ってきて俺の横に着座する。
横に座っただけで、つい舞い上がってしまう自分に気付く。
…やっぱりいい匂いするなぁ。
「ユキくんお疲れー」
「お疲れ様です雪弥さん」
口々に雪弥さんに声をかける。
「ありがとー。もうみんな結構飲んでます?」
「そこそこかな。飲むっていうより、舞台についての話し合いが盛り上がってるとこ」
雪弥さんは、その説明にうんうんと頷いてみせ、そして、そのまま自然に舞台の話し合いに加わった。
役者だけでなく、時に監督や演出家の人も交えて意見を聞いたり。
俺にとっては、勉強になることばっかりだ。
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