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収録後には 4
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「ふー、うまかったー」
ヒレカツ膳をペロリと平らげて、ともさんは座席の背もたれに体重をかけながら伸びをしてみせる。
「本当、美味しかったです!俺ともさんの後輩で良かったー」
「褒めても何も出ねーぞ」
いえいえ、美味しいご飯が出てますから。という言葉は心の中で留めておいて、笑顔を返す。
「さーて、恋バナの続きでもするかー?」
「えっ」
「マナの気になってるのヤツ」
「言いませんよー!てか、ともさんだったらどうしますか?ちょっと気になってるなーって感じだけど、好きかどうかわかんない時…」
俺の言葉に、ともさんは少し間を置いてから話し始める。
「オレだったら?どうすっかなぁ…。とりあえず告白してみる?いや、しないな。好きかどうか確信がないんだもんなぁ。そうなると、相手にいい人が出来ないようにガードしつつ自分の気持ちを様子見?面倒くせーな!」
「ですよねぇ、俺もどうしたらいいかわかんなくて。振られる確率のが断然高いとはいえ、自分の気持ちも定まらないうちに、どうこう…っていう気にもならないですし。相手にも悪いですしね」
本当は、薄々自分の気持ちには気付き始めている。
稽古が始まってから、毎日のように顔をあわせているけれど。
舞台と同じように、知れば知るほど魅力的な面ばかりの雪弥さん。
その深みに嵌っていく自覚はあった。
ただ、どうにも距離が近すぎて、自分の気持ちが勘違いかもしれないという、その考えが抜けない。
そして、その考えをやめてしまったら、自分はいよいよ、ノーマルなただの舞台仲間ではいられないから、自然とストップをかけているのだ。
ともさんは「そんだけ相手の事を気にかけてんだったら、限りなく好きなんだろうけどなぁ」と呟いた。
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