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舞台の裏で 1
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雪弥さんからの返事は、明るかった。
『いいよ。デートしよ。真都くんって本当面白い子だよね、飽きないよ』
思わず心の中でガッツポーズをした。
しかし、スケジュール的には、家にお邪魔するのと同様に、舞台が終わってからでないと空きそうもなかった。
仕方がないことだけど、タイミングが悪い。
それでも仕事とはいえ、ほぼ毎日会えるんだからマシな方なのかな。
雪弥さんが事前に教えてくれていたおかげで稽古も順調に進み、いよいよ本番を迎えることになった。
公演本番が始まるのは夜からだが、早朝からみんな集まっての、リハーサルが始まっていた。
衣装を纏って、メイクを施されると妙にテンションが上がってしまう。
深呼吸、深呼吸…。
「何してるの?」
「雪弥さん…!」
澄んだ声が楽屋に響いた。
振り返るとそこには、同じように衣装に身を包んだ雪弥さんが立っていた。
メイクもアイラインの効果なのか、整った顔立ちがより綺麗に見える。
「かっこいいー!雪弥さん、やっぱりその衣装凄く似合ってます!」
「ありがとう、真都くんも似合ってるよ。後でこの衣装で写メ撮ろうね」
「はい!」
このカッコ良さに加えて、更に稽古で何度となく見せつけられた、あの演技力だもんな…本当狡いなぁ。
想像するだけで、俺がドキドキしてしまう。
もう一回、深呼吸しておこう。
雪弥さんはそんな俺を見て笑顔を浮かべた。
「緊張してるの?」
「緊張なのかな、なんかテンション上がっちゃって…」
「そっか。それなら大丈夫そうだね、今日から一週間よろしくね、一緒に頑張ろう!」
雪弥さんは手を差し出してくる。
俺はその手をぐっと握って「こちらこそ、お願いします!」と大声で返事した。
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