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舞台の裏で 2
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「さて、そろそろ出番が近いし、袖で待機してよっか」
握手した手をぐっと引っ張られて、そのまま楽屋を出ようとする雪弥さん。
これ、手繋いでる…?
思わぬ事態に俺は慌てるしか出来ない。
雪弥さんの掌は、華奢な身体に似合わず大きくて暖かくて、俺の手をしっかり握り締めている。
ちょっとやそっとじゃ振りほどけそうもない。
「雪弥さん…!」
「どうしたの?」
「手、このままで行くんですか?俺べつに迷子とかならないですよ?」
「真都くん冷たいなぁ、じゃあ、僕が迷うことにするから、ね?」
迷うことにするって…。
一体何が起こってるんだろう。
せっかく深呼吸で落ち着けた鼓動がまた早くなってしまう。
なんでこの人はこんなにドキドキさせて来るんだ?
確信犯ってやつなのかな。
俺の気持ち見透かされてる?
その上でからかわれてる?
そうとしか思えない程に雪弥さんの行動は小悪魔的な誘惑だった。
楽屋から、舞台袖までの距離は決して短くない。
スタッフもキャストもみんなバタバタと走り回っているような状態だ。
確実にこの姿を誰かに見られてしまう。
…どうしよう。
俺の身体は熱くなったり、冷や汗をかいたり。
落ち着かない…。
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