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仕事終わり 4
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「そっか、じゃあそこまで一緒していい?俺も通り道だし」
「え、あ、はい…構いませんけど」
俺の言葉と同時に雪弥さんは、俺の隣に並んで、じゃあ行こっか!と明るく声をあげた。
「そういえば、さっきの子って誰?」
「え?」
歩き出してしばらくした辺りで、会話の流れに脈絡のない質問に俺は一瞬意味を理解出来なかった。
「さっき、一緒にいた女の子。随分華やかな顔立ちだったけど。キャストさん?」
あぁ、ビル出てくるあたりから気付いてたって言ってたもんな。
皆橋さんの事見えてたんだな。
「そうですよ、新人の声優さんで、俺が落とした手帳をわざわざ届けに来てくれたんです」
「そうなんだ…いい雰囲気に見えたから、僕はてっきり彼女かと思ったよ」
「違いますよ!そもそも今日が初対面だし」
慌てて、否定する。
本当に好きなのは、目の前にいる人なのに。
言えない、なぁ。
俺は先程の彼女がアイドル声優で、男性と二人きりで出掛けるのを制限されている話題を出した。
「大変ですよね、恋愛NGとか。雪弥さんの事務所もそういうのあるんですか?」
「僕の事務所はないよ。でも恋人の有無は人気を左右することもあるし、居たとしても大っぴらには話さないのが普通だよね」
「確かに、それはそうですね」
実際、恋人が居た所で、テレビに引っ張りだこの芸能人でもない限り、マスコミが報道することなんてありえないけれど。
ファンからの目撃情報から、バレてしまう人は多い。
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