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僕と彼女の方程式【ちなは】*09
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ずっと…
あの日以来、気になっていた。
会長サマは、僕らを見分けている気がする。
「ねぇ、きいやちゃん。前に会長サマたちと遊びに行った事があったでしょ?僕ら、会長サマに呼び間違えられた事がないの、気付いてた?」
「…そう言えば、間違えられなかったかも。」
「別人なのだから、似ていても違うのは当然の事です。纏う空気の色が違うと言うか…雰囲気がですね…」
空気の色って、何?
オーラ的な?
「例えば、きいやさんが暖色系なら、ちなはさんは寒色系…みたいな。イメージなんですが…」
思わず、きいやちゃんと顔を見合わせた。
「基本は同じデザインなのですが、色違いに見えるんです。だから『同じ』ではなく『違う』ので、間違いようがないと言うか…」
これだ。
会長サマが気になる訳。
会長サマは、僕らを『個人』として見ている。
似ているけど、違う。
そんなのは当たり前だけど、僕らには当たり前の事じゃない。
以前、陸上の大会できいやちゃんを気に入った他校の男子生徒が、間違えて僕を誘い、僕の性別も確かめずにしつこく付き纏いに来た。
頭では分かっているけど、双子ゆえに同視されがちになる。
特に一卵性は同性が多いから、仕方ない事かも知れないけど…
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