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マジで恋する五秒前【榎月】*03
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きいやさんの目を盗み、私に耳打ちしたちなはさんのシャンプーのいい香りがふわりと漂う。
一瞬、ちなはさんの動きが止まり、私の顔をまじまじと見詰めた。
「あぁ、そっか。何か嗅いだことある匂いだと思ったら、昨日、会長サマもうちのお風呂に入ったんだっけ。」
思い出したように、手を叩いて納得すると
「…やっぱり、この匂い好き。」
髪に顔を埋めそうなくらいちなはさんの顔が近付いて、どっちの匂いなのか分からないほど香りが混ざり合う。
「ちなは、会長サマが困ってるよ。」
「…ごめん。」
苦笑したちなはさんが、私の隣に座っておにぎりを食べ始める。
「ちなはのその匂いフェチ、何とかならない?一歩間違えば犯罪だよ、犯罪。痴漢、ダメ、絶対!」
「触ってないからセーフでしょ?匂いを嗅いだだけだし、会長サマも嫌がってなかったよね?」
「はぁ、まぁ…少し驚きましたけど…」
本当に驚いた。
「バカね。そもそも、人の髪や体臭を嗅ぐこと自体が変なの。触らない痴漢だってあるのよ。嗅いで許されるのは、愛玩動物だけ。」
ちなはさんが、きいやさんの言葉にショックを受けて、がっくりとうな垂れる。
「それなら、僕はペットになる。」
「私が飼ってあげるから大丈夫!」
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