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マジで恋する五秒前【榎月】*04
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きいやさんの言葉に
「…パス。」
「何でよ?」
ちらりと視線を向けたちなはさんが、聞こえるぐらいの大きな溜め息を吐いた。
「どっちが飼い主か、分からなくなるから。」
心底、心外そうなきいやさんに
「念のために聞くけど、ご飯を作るのは?」
「ちなは。」
「掃除や洗濯は?」
「ちなは。」
そう質問攻めにした後、再び深い溜め息を吐いた。
「それだと、ペットを通り越して奴隷…いやいや、それは僕の望むものじゃない。」
「でも、匂いは嗅げるよね!」
キッパリと言い切ったきいやさんに、思わず小さく吹き出してしまう。
「ちなは、ずっと君の味噌汁が飲みたい。結婚しよう!」
「お断りします。他を当たってください。」
バッサリと切り捨てたちなはさんに、きいやさんが縋り付いた。
「嫌よ、ちなは。捨てないで〜!」
「分かったよ、捨てないから早く食べて。休憩時間が終わる。」
まるでハムスターのようにほっぺをぷっくりと膨らませながら、もぐもぐと半泣きのきいやさんが二合玉を頬張る。
それを見たちなはさんが、慣れた手付きでお茶をきいやさんに差し出した。
「お二人は、とても仲がいいのですね。」
「この人に変態だと言われてるけどね、僕。」
「言ってない!思っただけ。」
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