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高鳴る鼓動【ちなは】*04
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「ちなはさん、私は…」
「ちなは、どうかしたの?」
「…油が跳ねて。ちょっと火傷しちゃったみたい。会長サマ、有り難う。もう痛みはないから、大丈夫だよ。」
これ以上、踏み込まれないように笑顔の壁を作ると、会長サマの体を遠慮がちに押し退けた。
「向こうで座って待ってて。もうすぐ出来るから。きいやちゃん、会長サマに冷たいお水を入れてあげてくれる?」
「うん、分かった。」
落としたカップを拾って気を取り直すと、ライスコロッケを作り直して揚げていく。
当初の予定通りのメニューを完成させ、順番に運んだ。
「ごめん、予定よりも遅くなって。パスタ、少し冷めたかも…」
会長サマが少し心配そうな目で僕を見る。
それに気付かない振りをして、努めて平気そうに振る舞った。
「グラタン、オーブンで焼くだけにしてあるから足りなかったら言って。」
「有り難うございます。」
「ちなは。頼まれてた生クリームとチョコソース、買ってきたよ!」
バナナパンケーキ用に買ってきて貰ったトッピングを受け取り、取り敢えず冷蔵庫に入れる。
「立ったついでに、グラタンどうする?いつ食べる?」
「今でしょっ!!」
ーだと思った。
「会長サマは、食べれる?」
「はい、頂きます。」
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