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高鳴る鼓動【ちなは】*06
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「ちなはも美味しいって、喜んでたじゃない。やっぱ、国産牛肉のステーキは高いだけあって、分厚くて本当に美味しかったよね…」
うっとりとその味を思い出すきいやちゃんに、怒りが沸々と蘇ってくる。
何が悔しいか…って。
知らない内に、僕も共犯者にされていた事。
一週間で、福沢 諭吉さんを五人も使い込まれた事。
残りの週をどうやって乗り切るか散々、頭を悩まされた事。
数え出したら本当にキリがない。
「きいやちゃんの金銭感覚は、おかしい。お金は、無限にある訳じゃないんだよ。限られた予算の中で、一食に大枚叩いて残りの週はどうするの?陸上にもゴールまでのペース配分ってのがあるよね?長距離を最初から最後まで全速力で走って何人が完走出来る?」
「ごめんなさい…」
だけど…
それがあったから、少しでも予算を使い切らず、翌月に繰り越そうと努力をするようになったし、実は悪い事ばかりでもなかった。
「でも、ちなはの料理の腕が上がったのも、レパートリーが増えたのも、やり繰り上手になったのも…」
「仕方なく。生き抜く為に必要項目だったから。このままだと間違いなく飢え死にするって、本能が危機感を…」
「私のお陰だよね?」
この人、全く反省してない…
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