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高鳴る鼓動【ちなは】*07
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「頭、痛くなってきた…」
「風邪?大丈夫?」
もう、どこからどうツッコんでいいのやら…
「きいやちゃんの生活能力は破壊的なんだから、僕から離れたら間違いなく死ぬよ…」
「うん、それは自覚してる。」
それならいい。
僕が何とかするから…
深い溜息を吐き、声を殺して笑う会長サマと目が合った。
「ちなはさんの優れた生活能力には、そんな経緯があったのですね。」
「…完全な尻拭いだけど。」
「ちなはも大変よね。あまり無理はしないで。」
まるで、他人事のように僕を心配するきいやちゃんに、会長サマが堪え切れずに声を出して笑い出す。
「しっかり者のちなはさんと、おとぼけ者のきいやさん。見間違うほど瓜二つなのに、お二人のタイプが真逆で興味深いです。好みも違うんですか?」
「好みは…」
「そこは、似てる。同じ物を好きになる事が多くて。喧嘩しないようにって、小さい頃から同じ物を与えられて来たし、物心が付いてからは一つの物を共有する事も覚えたから、いつも二人で話し合って決めてきたの。だから、喧嘩はした事ないよね。」
「うん。」
きいやちゃんの言葉に頷き、焼き上がりを知らせるアラームを聞いてグラタンを取りに行く。
「…待って。私が取りますよ。」
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