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取引【ちなは】*07
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「…さん、ちなはさん!」
誰かが呼んでいる…
誰だろう…
ゆっくり目を開けると、心配そうに僕を覗き込む会長サマの顔が見えた。
…夢?
妙にリアルだったな…
まさか、あり得ないよね。
真面目の塊みたいなあの会長サマが、あんな提案…
飲むわけがない。
思わず、苦笑して会長サマを見上げた。
「大丈夫ですか?怠さや痛みは?」
「ないけど…」
会長サマが僕の前髪を掻き分け、頭を撫でる。
「お水、飲みますか?」
体を起こすと、会長サマがペットボトルのキャップを開けて手渡してくれた。
「あり…がとう…」
状況がよく飲み込めず、何度も瞬きを繰り返す。
「突然、意識がなくなったので…」
「…ごめん?」
首を傾げて会長サマを見た。
「まだ寝ぼけてます?」
「んー、頭と体はスッキリしてるよ。寝たからかな?」
少し顔を赤らめた会長サマが咳払いをして、バスタオルを僕に手渡した。
「シャワー、浴びますか?」
…僕のじゃない。
そこで、改めて部屋を見回すと自分の部屋じゃない事に気付いた。
「あー、うん。借りていいなら…」
ちょっと待って。
…夢じゃない?!
会長サマのベットから降りようとして、足元がふらつく。
「危ないっ!」
咄嗟に会長サマに抱き留められ、彼の匂いに包まれた。
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