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取引【ちなは】*09
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不思議だった。
「僕が言うのも何だけど、僕と付き合う事になったなんて知られたら、会長サマの立場的にマズイんじゃない?」
「公私混同になれば、マズイですね。」
僕の頭を撫で、会長サマが額にそっと口付ける。
「…逃げると思ってた。」
付き合っていられないと。
その内、いい加減にしなさいって軽蔑されると思っていたのに。
「単純に、あなたを放っておけなかったんです。それに、実は確かめたい事もありまして…」
「男とのセックス?」
僕が首を傾げると、会長サマが口元だけで笑う。
「それだけじゃありませんけど。意識を失う前のあなたが助けを求めているように見えたので…」
あの時…
光に向かって伸ばした手を思い出す。
「だから、この手を離したくなかったんです。」
そう言って、会長サマが改めて僕の手を握り直した。
「今日からあなたの恋人です。助けを求める時は、私にして下さい。」
その会長サマの言葉に、戸惑いながら
「あいつらが…」
意を決して、ずっと誰にも言えずに抱え込んでいた苦しみを打ち明けた。
「きいやちゃんに手を出すって言ったんだ。でも、僕が大人しく従っていれば、僕で我慢してやってもいいって…」
週末になると、僕は必ずあの男に呼び出される。
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