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恋人ごっこ【ちなは】*07
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会長サマが無言で僕の額を中指で軽く弾く。
「痛っ!!」
「馬鹿な事を言ってないで、早く着なさい。」
渋々、衣服を整え、会長サマを睨む。
「…会長サマから振ったネタなのに、デコピンなんて酷い。」
「間違っても他の人に『飼われたい』なんて、言わないように。」
会長サマだから言ったのにな…
「他の人に言ったら、どうするの?」
「…本当に閉じ込めますよ?」
顎を掴まれ、顔を覗き込まれる。
視線が絡み合って、息をするのを忘れた。
口の中に溜まった唾液が音を立てて喉に落ちる。
「…いいよ。やってみれば?」
「全く、あなたって人は…」
深い溜め息を吐くと、会長サマが自分の前髪を掻き上げた。
「強引な会長サマも何かいいね。ゾクゾクした。」
「懲りない人ですね。痛い目に遭ったばかりでしょう?」
呆れたように頭を軽く左右に振りながら、部屋に戻るそのすぐ後ろをついて歩く。
「会長サマになら、何をされても構わないよ?」
僕は、ずっときいやちゃんのおまけだと思っていた。
きいやちゃんに間違えられる度に、僕でいる必要性を感じなくなっていたのかも知れない。
そんな僕を会長サマだけが、いつも見付けてくれた。
「そろそろ、きいやちゃんがお腹を空かせてる頃かも…」
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