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着せ替え人形【榎月】*01
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「蓋、開けてもいい?」
「いいともー!」
「お疲れ様です、ちなはさん。私が開けますので、あなたも座って。」
ちなはさんと土鍋やお箸、レンゲ、お碗などの細々した物を一緒に運び、ちなはさんから預かったミトンで土鍋の蓋を開けると、湯気と共に美味しそうな香りが部屋の中に広がった。
まだ火を消して間もないからか、味噌スープがグツグツと煮立っている。
「会長サマ、熱いから気を付けて。」
「はい。」
ちなはさんからお碗を手渡され、それを順番に取り分けていく。
「ちなは、稲荷寿司も食べたい。」
「明日の朝ごはんに取り分けとく?」
頷くきいやさんに笑い掛けると、ちなはさんはアサリご飯を土鍋から半分ほどタッパーに移し替えた。
「会長サマ、明日の朝はアサリご飯の稲荷寿司にするけど大丈夫?」
「楽しみです。」
ちなはさんは、本当に無駄がない。
少し手を加えるだけで、全く違う物にしてしまうレパートリーの豊富さに、何度も感心した。
「おかわりあるから。」
「有り難うございます。」
自分の食事を止めてまで、人の世話をしようとするちなはさんを手で制し
「後は自分で出来ますから、食べて下さい。」
「…うん、有り難う。」
「何だろう…何か怪しい。何があった?」
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