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着せ替え人形【榎月】*02
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「別に、何も?」
「だってちなは、会長サマに甘えてるみたい。」
ちなはさんの顔が少しずつ赤く染まるのを見て、私は理科の実験で見たリトマス紙を思い出した。
「そ、そんな事…ない…けど…」
あの時も、青から赤へと変化していく様子を不思議な気持ちで見ていた気がする。
「何?その反応。本当に何かあった?」
「ないよ、ない。きいやちゃんが変な事、言うから…」
訝しむきいやさんに、ちなはさんがたじたじになって私に助けを求めてきた。
「きいやさん、その辺で…」
「ちなはが私以外に懐くなんて…会長サマ、どうやって手懐けたの?」
「もう扱いが野良猫…」
きいやさんにはとことん弱いのか、困った表情を浮かべるちなはさんに笑いが漏れる。
ちなはさんが隠したがったから同意しただけで、私は別に恋人ごっこについてはバレてしまっても構わない。
「特別、何も。強いて言うなら、裸の付き合い…ぐらいですかね。」
「ちょっ…」
「は、裸の付き合いって?!」
金魚のように口をぱくぱくさせて真っ赤になるきいやさんに、意味あり気に微笑むと味噌スープを口に運ぶ。
「どうかしましたか?きいやさん、顔が真っ赤ですよ?私はただ、彼の頭を洗ってあげただけですが…他に何か?」
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